低迷の阪神・高山俊 金本前監督の育成方針は誤りではない
阪神・高山俊はいつからこんな感じになったのだろう。ルーキーイヤーの2016年にいきなり外野のレギュラーを奪取し、新人王に輝いたものの、その後は不振が続いている。現在の高山はレギュラーを剥奪されたどころか、レギュラー候補の若手外野手の中でも後塵を拝している状況だ。
先日のヤクルトとのオープン戦ではバックスクリーンに本塁打を放った高山だが、それだけで復活とするのは時期尚早だろう。阪神の外野にはベテランの福留孝介と糸井嘉男がおり、他にも中谷将大や江越大賀、さらにドラフト1位ルーキー・近本光司もいる。
いずれにせよ、今の高山にはかつての黄金ルーキーや新人王といった特権的な待遇は見られなくなった。明大時代に東京六大学最多記録となる通算131安打を積み重ねたヒットメーカーは、最大の売りであった巧みなバットコントロールさえも失い、どこか平凡な選手になってしまった。
■本塁打増目指しフォーム改造
一説には、金本知憲前監督と片岡篤史前打撃コーチの打者育成方針により、2年目以降の高山が本塁打増を目指して打撃フォーム改造に取り組んだことが、その後の不振につながったとされている。安打製造機タイプに長打を求めるなんて指導者の育成ミスだ、と批判する声も少なくない。