巨人・岡本和真が語り尽くした 「第89代4番」に座る重み

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 ――入団して3年間は本塁打1本と苦しんだ。プロ4年目の昨季、史上最年少で「3割30本100打点(打率.309、33本塁打、100打点)」を達成できた要因は?

「いろいろなことが挙げられますが、ひとつは切り替えがうまくなったことがあるかもしれません。一日一日を必死に、がむしゃらにやっていたので、その中でヒットもホームランも重なっていった。ちょっとずつ心の中で、次はどうしようというのが生まれていった。なんといってもスタートダッシュですね。(阪神との)開幕2戦目で4安打(5打点)できて、その後(3戦目に3ランを)打ったのが大きかったと思います」

 ――春のキャンプで臨時コーチを務めた松井秀喜さんや、守備面では井端(元)内野守備走塁コーチと二人三脚で練習した。

「技術もそうですし、守備も教えてもらって、できるようになってきて、そこで気持ちの整理ができるようになったことが、去年の成績につながったんじゃないかな」

 ――オフはどうやって切り替える?

「打てなくて終わった後の休みの日は、ずっとモヤモヤしますね、やっぱり。でも、そこで引きずるんじゃなくて、結局引きずるんですけど、明日はこうしようとか、うまくいかなかったから、こうしようという積み重ね。そこをずっと考えています」

■「誰もが知っている野球選手になりたい」

 ――来年はいよいよ東京五輪がある。稲葉監督からは中軸との期待をされている。

「国を挙げてのことなので、こんなこと言っちゃいけないのかもしれませんけど、まずは巨人のことですよね。チームでしっかりやれるという周囲の信頼を得られないとダメ。代表チームに選んでもらえたらうれしいし、ありがたいですけど、そこは考えずに、チームで結果を出して優勝することを考えながら、その後に東京五輪がついてくる。選んでもらえたらありがたいなという感じですね」

 ――とはいえ、稲葉監督から侍ジャパンでも「4番」候補と期待される。

「いやいや、冷静に周りを見渡した時、僕より段違いにレベルが高い選手ばかり。自分が4番を打てるなんて思っていないですし……。でも、しっかり追いつけるように、そういう選手になれるように頑張りたいと思います」

 ――話は変わるが、20歳だった2016年オフに、2歳年上の女性と結婚した。夫人のことは、これまであまり語っていないが、どんな存在?

「もちろんサポートしてもらっているし、ありがたいですよね。(プロ野球選手は)帰ってくるのが遅かったり不規則じゃないですか。それでも食事とかしっかりしてくれるので感謝しています」

 ――結婚して巨人寮を出て2年目に大ブレーク。チームには先輩の坂本勇ら独身貴族も多いが、結婚を早く決断して良かった?

「良かったです! 寮生活が悪かったのかな。冗談ですけど(笑い)」

 ――将来の夢は? 最終的に、どういう野球選手になりたい? 東京五輪の4番を争う筒香(DeNA)らはメジャー志望を明かしている。興味はある?

「やっぱり誰もが知ってる野球選手になりたい。野球をやっていない、知らない人でも名前は知っているという選手になりたい。イチローさんとか、全く野球を知らない人でもみんなが知っているじゃないですか。そういう選手になりたいですね」

 ――巨人で頑張って、いずれはメジャー挑戦という夢はあるのか?

「いやいや、そんな……。僕はまだ、そんなことを言える立場じゃない。レギュラーになって5年とか経っていれば、『メジャー行きたいですね』とか言えるかもしれませんけど、まだ1年やった(活躍した)だけ。そんなん言ってたら『あいつアホちゃうか』って言われちゃいますから」

 ――巨人の4番として知名度を上げて何年もレギュラーとして活躍できれば、最終目標としてメジャーは視野に入る?

「そうですねえ……。いやいや、そうですねえもないけど、今はそういうことは言えませんって!」

(聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ)

▽おかもと・かずま 1996年6月30日、奈良県生まれ。智弁学園(奈良)では1年秋から4番に座り、3年春、夏の甲子園に連続出場。春は大会史上19人目の1試合2本塁打。U18アジア選手権でも4番として準V。14年ドラフト1位で巨人入団。昨季は史上最年少で「3割30本100打点」をマーク。185センチ、96キロ。右投げ右打ち。推定年俸8000万円。

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