著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

最後の仕事は「トヨタ」のネームバリューにこだわった

公開日: 更新日:

 しかし、それでも中村は諦めなかった。続けて元職員は語った。

■皇族が視察

「『愛知太陽の家』設立記念行事として先生は、国際リハビリテーション協会などの協力を得て『第1回国際障害者レジャー・レクリエーション・スポーツ大会』(略称・レスポ)を、蒲郡市を中心に開くことにした。そこで先生はデンソー側に『そのときは、皇太子さまご夫妻(上皇ご夫妻)がご臨席し、デンソー太陽をご視察するかもしれませんよ』と言った。そしたらデンソー側が驚いた。なぜなら親会社のトヨタにさえも皇族はいらっしゃっていないということでね」

 さらに中村は、追い打ちをかけるようにこうも言った。

「皇太子さまが見てもわからないような物を造っていたら失礼ではないでしょうか」

 結果は、上皇ご夫妻ではなく、常陸宮ご夫妻がレスポの開会式にご臨席し、「デンソー太陽」をご視察したのだった。

 その3カ月後、中村は57歳で泉下の人となった。だが、その後も上皇ご夫妻をはじめ、天皇・皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻、常陸宮ご夫妻、三笠宮ご夫妻、高円宮ご夫妻が「太陽の家」や、その共同出資会社をご視察している。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末