清宮&輝星采配で炎上 栗山監督の求心力低下が止まらない
のっけから日本ハムの希望の火をかき消す花火が打ち上がった。
14日のロッテ戦のスタメンに、この日昇格したばかりの高卒ルーキー2人が名を連ねた。吉田輝星(18=金足農)が今季3度目の先発マウンドに登れば、ファームで10本塁打の万波中正(19=横浜)は「9番左翼」に抜擢された。中田不在の4番を務めたのは、前日同様、2年目の清宮幸太郎(20)だった。
負ければ8連敗、5位ロッテに並ばれる大事な試合で、まるで若手の見本市のようなスタメンだったのは彼らを低迷するチームの起爆剤にしたかったからに他ならない。
そんな栗山監督のもくろみはしかし、結果として火に油を注いだだけだった。
吉田は初回、荻野に先頭打者弾を浴びると、続くマーティンに四球。3番鈴木には不用意にストライクを取りにいった初球を右翼に運ばれ、いきなり3失点。二回には荻野に2打席連続となる2ランを浴び、三回、先頭打者鈴木にヒットを打たれたところでKO。2回と3分の0を6失点で今季2敗目、防御率は10.80だ。
試合後の本人は「久々の一軍。いろいろな人に(連敗中だから)雰囲気を変えてくれと言われた。それができなくて悔しい」と話した。
万波もバットが空を切るばかりで、3タコ2三振。八回1死二、三塁のチャンスで代打を出されてお役御免となり、「緊張もあったので、1打席目から自分のスイングができなかった」とガックリである。
■好機で4番に代打
中田不在で4番に座る清宮は3打数1安打2三振。2点を返して4点差と追撃ムードになった八回には、2死満塁という絶好の場面でまさかの代打。相手は変則左腕の松永だったとはいえ、ベンチで終始、悔しそうな表情を見せていた。
結局、日ハムはこれで8連敗。8月に入ってからは1勝11敗と泥沼に陥っている。
栗山監督は試合前、どん底のチーム状態で若手を起用した理由についてこう話していた。
「勝つため、勢いをつけるためにやっている。フレッシュな力に期待? というより、ガムシャラにやることなんだよ。できることは必死にやって、命懸けで野球をやることが大事。それが野球の原点だと思っている。その原点を(今のチームに)持ち込んでほしい」
万波のスタメン起用に関しては「状態が(二軍で)一番よかった」と説明。打率1割台の清宮を2日続けて4番に据えることについては「チームを勝たせてくれると思って入れた。何となく(4番に)入れたつもりは全くない」と語っていた。指揮官が勝つために最善と判断した策はしかし、実らなかった。
おまけに結果が出ないと、4番打者にも見切りをつけた。栗山監督は試合後、八回の得点機で清宮に代打を送ったことに関して「あの代打はしょうがない。(清宮本人に)メッセージを送っている」。だとすれば「チームを勝たせてくれると思った。何となく4番に入れたつもりは全くない」という言葉は上滑りする。
「選手の栗山監督に対する不信感は募る一方だと聞いています」と、日ハムOBがこう続ける。
「清宮や吉田はドラフト1位で入団した選手たちです。球団は彼らの実力を高く評価したわけだから、彼らは“シード権”をもっているようなもの。起用に関してある程度、優遇されるのは理解できる。けれども、栗山監督の特定の選手に対するエコヒイキは度が過ぎているというのです。それで結果が出ているならともかく、結果が出ていないわけですから」