打者の胸元あたりのスピードとホップ感でミットをはねた
絶体絶命のピンチでのリリーフ登板。スライダー、スプリットであっという間に追い込んで、150キロ近い快速球で打ち取って、一転、逆のパターンでねじ伏せた。
ガッツポーズは出たが、昨夏の甲子園のような「これ見よがし」のパフォーマンスじゃない。西純矢の中で、メラメラと燃えているものが<内燃>していた。
あり余るエネルギーと闘争心を全身からほとばしらせながら、それでも燃え過ぎてはいない。以前は難しかった「セルフコントロール」ができていた。
去年から、年は1つしか重ねていないが、野球的精神年齢のほうは、5歳ほど上がったようだ。
ここ一番での意気に感じた投球の迫力と気迫は見違えるものだった。信用されて<場>を任される者の気概に満ちていた。
将来の<像>は、絶対的守護神か。
西が出てきたら、もうアカン……。相手の追撃意欲を消去させるほどの存在にのし上がる。
▽にし・じゅんや 2001年、広島県生まれ。184センチ、85キロ。右投げ右打ち。最速154キロ。球種はスライダー(縦、横)、チェンジアップ、フォーク、カーブ。