カド番9回も潔く引退 横綱白鵬に飲ませたい豪栄道の爪の垢
8場所連続休場の不名誉記録をつくった稀勢の里(現・荒磯親方)は角界内外からの厳しい声にさらされることもあったが、昇進直後に左上半身に重傷という悲劇を背負いながらもがく姿は、悲哀に満ちていた。19年ぶりの日本出身横綱ということで甘めに見られていた面もあったとはいえ、それも愚直に相撲に向き合う姿勢があったからこそだろう。
■五輪まで延命
横綱白鵬(34)にはそうした潔さも悲哀も人徳もない。力が落ちてきたかと思えば、ヒジを振り回す打撃技にシフト。相手の胸元や腹を狙うならいざ知らず、最初から顔面にエルボーを叩き込むのが目的のかち上げだ。2016年5月場所では、まともに食らった豪栄道が左眼窩内壁骨折。もはや相撲ではない。
その上、出ては休んでという「隔場所出場」で存命を図る始末。陥落しない横綱の地位を、自分が長生きするためだけに利用している。
「今月に出演したテレビ番組で『年内引退』と言っていたでしょう。東京五輪後、9月の秋場所前後に引退するつもりのようです。本人が希望している五輪開会式での横綱土俵入りなんて実現するかわからないが、とりあえず、何らかの形で五輪には関わりたいそうですから」(ある親方)