カド番9回も潔く引退 横綱白鵬に飲ませたい豪栄道の爪の垢
散り際は潔かった。
28日、大関豪栄道(33)の引退が相撲協会から発表された。年寄株の襲名も承認され、今後は「武隈親方」として後進の指導に当たる。
9度目のカド番だった今場所は5勝10敗。来場所での関脇転落が決まっていた。近年はケガが多く、昨年11月場所の遠藤戦で左足首の靱帯を損傷。今場所前はロクに稽古もできなかった。角界では「番付にこだわらず、治療に専念すればまだできた」という声もある。それでも大関でいるうちに身を引いたのは、豪栄道なりの美学だろう。
大関から陥落しても、現役を続けることが悪いというわけではない。琴奨菊は平幕で奮闘。照ノ富士は度重なるケガで序二段まで落ちるも、復帰を諦めず今場所は十両優勝を果たした。大関と一口に言っても、生き方はさまざまなのだ。
唯一、陥落がない横綱はそうはいかない。休もうと思えばいつまでも休んで、給料ドロボーを続けられる。それでも歴代横綱は「力が落ちた」「自分の相撲が取れなくなった」などの理由で、スパッとマゲを落としてきた。