徳勝龍は近大、正代は東農大 大卒力士の活躍が目立つ背景
2人目が出てくるのも、時間の問題かもしれない。千秋楽まで徳勝龍(33)と正代(28)が賜杯を争った1月場所。前者は近大、後者は東農大のいわゆる「学生相撲」出身力士だ。
大卒力士の活躍はいまに始まったことではない。大卒では唯一ではあるが、日大出身の輪島は横綱になっている。それでも近年ことさら学生相撲出身力士が目立つようになったのも確かだ。
2018年7月場所を制した御嶽海(27)は東洋大、昨年5月場所で初賜杯を掴んだ朝乃山(25)は近大出身だ。今場所2横綱を破った遠藤(29)は日大、11勝4敗の北勝富士(27)と豊山(26)はそれぞれ日体大と東農大。ちなみに小兵で人気のある炎鵬(25)も金沢学院大出身である。
昔は「早くから相撲部屋で稽古できる中卒の叩き上げの方が出世できる」と言われていた。大相撲で昇進を目指すなら、大学に行くのは遠回りというわけだ。
それがなぜ変わってきたのか。ある大学相撲部の指導者は、「昔は大学相撲なんて、ちんたらした稽古しかしない、なんて言われていたけど……」と、こう続ける。