四大陸直前に大きな賭け 羽生結弦“勝利への執念”と舞台裏
羽生が拠点とするカナダ・トロントの『クリケット・クラブ』のメンバーに聞いてみた。
「羽生にとって何よりもショックだったのは、昨年暮れに行なわれた全日本選手権でショートで5.01ポイント差でリードしていながら、最終的に7.8ポイントの大差をつけられて3歳下の後輩の宇野昌磨に逆転優勝を許したことでした。FPのあった12月22日の夜は、ホテルに帰っても口惜しくて一睡も出来なかったとスタッフに漏らしています」
正月休みを取ってトロントに戻った後も、全日本の反省と3月の世界選手権のことで、羽生はひとりで悶々とした日々を過ごしていたという。
「羽生のメインコーチはブライアン・オーサー氏ですが、平昌五輪が終わってから2人の間には会話らしきものはほとんどありません。オーサーコーチの現在の最大の関心事は“ポスト羽生”といわれる将来有望な若い選手のことで、羽生の苦しむ姿にはあまり関心を示しません。彼にとっては既に終わった選手なのでしょう」
■消えたオーサーコーチとの会話