マエケンに秋山や平野も…メジャー「トレード太り」の実情
■無理筋を強引に
大物選手は「トレード太り」するスケールも大きくなる。サイ・ヤング賞2回の大投手クルーバーは契約書に「トレードされた場合は、2020年と21年の契約延長オプションの選択権が球団から選手側に移る」という項目を入れていたため、昨年12月にインディアンスからレンジャーズに移った際、結果的に総額3500万ドル(約38・5億円)の2年契約をゲットした。
「トレード太り」の決定版は、契約にノートレード条項がある大物選手の場合だ。このケースでは事前にトレードを持ち掛けてきた球団のGMが選手の代理人に連絡を取って「移籍後に複数年の契約延長をする」という密約を交わし、選手にノートレード条項を破棄させて交渉成立となる。無理筋のトレードを強引にやることになるため、鼻の先にぶら下げるニンジンは特大でなければいけない。
2006年1月にランディ・ジョンソンがDバックスからヤンキースに電撃トレードされた時は、ヤンキースが42歳のジョンソンに総額3200万ドル(約35億円)の2年契約を結ぶことで話がまとまった。一昨年11月にゴールドシュミットがDバックスからカージナルスにトレードされた時も、彼の代理人とカージナルスのGMの間で移籍後に新たに5年1億3000万ドル(約143億円)の大型契約を交わすことで話がついた。