プロ野球選手会2度目のストライキすら コロナで年俸減必至
注目の「労使交渉」だ。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、開幕が遅れている大リーグ機構(MLB)は、7月4日(日本時間5日)の開幕を目指して調整を続けているが、26日(同27日)には選手会に対し、年俸を金額に応じて削減する案を提出したと、全国紙USAトゥデー(電子版)など、多くのメディアが報じた。高年俸の選手ほど削減幅が大きく、米スポーツ局「ESPN」のパッサン記者によれば、例えば年俸3500万ドル(37億6000万円)の選手は784万ドル(8億4200万円)まで削られることになるという。選手会の反発は必至で、交渉が暗礁に乗り上げる可能性が大である。
6月19日の開幕が決まったプロ野球にとって、これは対岸の火事ではない。今のところ球団サイドからは年俸削減に関する話は出ていないようだが、143試合の公式戦が120試合まで減れば、球団が被るダメージは大きい。
1996~2007年まで阪神で球団社長などを歴任した野崎勝義氏によれば、球団収入の大きな柱は入場料で、当時の阪神は、「一軍と二軍のチケット代と甲子園のシーズンシートを含めた収入は全体の約6割を占めていた」という。プロ野球は1試合で約1億円前後の収入があるといわれているが、120試合になれば、一軍だけでも23億円の大減収。自前の球場をもたなければ年間使用料の負担も大きい。