外野手の完全な油断で達成した2本のランニングホームラン
ところが、内外野を守れるという触れ込みだったにもかかわらず、足が遅い上に肩も弱い。しかも、本人が「セカンドしかできない」と言うので、僕がはじき出される形になった。この辺りは球団の調査も甘かったんでしょうね。
ただ、もしこうした経緯がなければ、その後どうなっていたか。外野も高校時代に1年とちょっとレフトを守っただけでしたが、足も肩も強かったので内野よりは自信があった。
最初は試合に出場できるだけでもうれしかったけど、徐々に「もっとうまくなりたい」と欲が出て、練習に励むようになりました。この年から97年まで7年連続ゴールデングラブ賞は、僕の勲章でもあります。
92年にはプロで25年ぶりのランニングホームランも打ちました。しかも先頭打者本塁打です。神宮での広島戦でした。レフトにふらふらと上がったどん詰まりの打球、ダイビングキャッチを試みた左翼手のブラウンが後ろにそらしてしまった。
■「エラーかなあ」
僕はプロで2本のランニングホームランを打っていますが、どちらも同じような状況で完全に外野手の油断です。