柔道金メダリスト内柴正人さん 第2の人生は“銭湯のオヤジ”
五輪男子柔道でアテネ・北京の2大会連続金メダルを獲得。2度にわたる紫綬褒章受章をはじめ、数々の栄誉に輝いた。本日登場の内柴正人さん(42)だ。さて、今どうしているのか?
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「取材? 俺、銭湯のオヤジですよ」
熊本県八代市、九州自動車道・八代ICから車で1分の温泉銭湯「つる乃湯八代店」。フロントには紺色のTシャツに短パン、キャップ姿の内柴さんがいた。
「今年1月24日からここで働いてまして、今は総責任者であるマネジャーです。とはいっても、大浴場や13室ある家族風呂、併設のビジネスホテルの管理・清掃業務、ボイラーや配管のメンテナンス、経理を含めた事務作業……、早い話が雑用含めた何でも屋さんです。アハハハハ」
体重は現役時代から3キロ増えて約75キロ。だがTシャツ越しにも、そのマッチョぶりがわかるほど筋骨隆々。ガニ股でノッシノッシと歩く姿は、まるでゴリラのようだ。
同店は、単純アルカリ温泉の循環掛け流しで、大浴場のほか、桧風呂、洞窟風呂などと2種類のサウナ、飲食スペースを持つスーパー銭湯スタイル。それでいて料金は税込み大人400円(!)と格安である。
「もともと水産関係の会社を経営していた橋本敏生社長が、『低料金で疲れを癒やし、ゆっくりと楽しめる場所を』との思いで始めました。だから近隣の銭湯に比べてもリーズナブルなんです。ほかに熊本店、鹿児島県出水市にも姉妹店があり、空いていたのがここのポストでした」
それにしても、なぜ、銭湯のマネジャーになったのか? 2018年7月にキルギスの柔道連盟総監督に就任したはずだが……。
「キルギスは昨年12月に契約が終了して辞めています。で、帰国後、旧知の橋本社長にお会いした際に、『特に仕事が決まっていないならウチで働かないか?』とお誘いいただき、即決しました」