著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

無策の陸連 エリートマラソンを消滅させるべきではない

公開日: 更新日:

 箱根の予選会が終わり、11月1日には伊勢路をめぐる全日本大学駅伝が行われる。年末恒例の福岡国際マラソン、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝と無観客を呼び掛けて実施予定だ。「ファン待望の」だが、その前にロードレースについて考えた。

 マラソンや駅伝の「無観客」という表現に違和感はないか。ロードレースで観客と通行人をどう区別するのか。まるで大会当日は大名行列と言わんばかりだ。ロードレースは公道を走り、道路を管理する地元警察署の許可が必要だ。デモに許可が必要なのと同じである。これとは別に、日本陸連には公認コースという規定があり、トラックもロードも、大会から公認料を徴収して公認レースに認定している。非公認大会の記録は国際陸連で公認されない。公道で公認……である。

■登録料目当て

 陸上競技で記録は最大事だ。しかし、ロードレースの公認記録に大した意味はない。陸連は登録料目当てに大衆マラソンを傘下に収めようと躍起だが、自己ベスト5時間半のランナーに「日本陸連公認」のお墨付きなどカエルの面に小便、登録料を払って手に入れるほどありがたくはない。そもそも都市マラソンの原点でメジャー6大会の一つでもあるボストンマラソンでさえ公認コースではない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動