追憶のマラドーナ 「神の手」と「5人抜き」ゴールの思い出
今、考えてもこんなにワクワクするようなカードがあるだろうか?「事実上の決勝戦」と言われた試合は1-1のまま決着が付かず、ついにPK戦に委ねられた。
試合中にはジーコがPKを失敗し、PK戦ではプラティニもシュートを大きく外してしまう。そして前回スペイン大会に続き、フランスがベスト4進出一番乗りを果たした。
22日には、アルゼンチンーイングランド戦の他にメキシコシティから260キロほど北のプエブラでベルギーとスペインとの一戦が行われる。
在籍していたサッカー専門誌は、記者2名でW杯を現地取材していた。筆者が取材することになっていた試合は、後者のベルギー対スペイン戦だ。
因みにキックオフ時間は前者が正午、後者は午後4時。「アルゼンチンーイングランド戦を途中まで見てから移動してもベルギーとスペイン戦には間に合う」。そう判断して22日早朝の飛行機でメキシコシティ空港に向かい、そこでタクシーをチャーターした。
アステカ2000スタジアム→プエブラ→メキシコシティ市内に戻るコース。一日貸し切りのチャーター代は65ドル(約1万円1700円。当時は1ドル=約180円)で運転手の昼食代3000ペソ(約900円)付きだったと記憶している。