貴景勝“カド番M1”で休場…押し相撲での綱とりは時間僅か
大関貴景勝(24)が、カド番まで「マジック1」となったところで休場となった。10日目の19日、日本相撲協会に休場を届け出た。
18日は遠藤の引き落としで今場所7度目の土。綱とり場所だったはずが、あと1つ負ければ来場所カド番という体たらくだった。
今場所は武器である突き押しに威力がなく、立ち合いでしっかり踏み込んで当たっても相手をほとんど押せていない。先場所優勝の力士とはまるで別人で、親方衆の間では「足か腰を負傷しているのではないか」「内臓に不安があるのかもしれない」などと、さまざまなウワサが飛び交っている。
そのうちのひとりは「不調の原因は定かではないが」と、こう続ける。
「いずれにせよ、貴景勝に残されたチャンスはそう多くない。貴景勝は押し相撲一本で上がってきた力士です。四つ相撲ならば年を取って肉体が多少衰えようが、少しくらいのケガをしようが、組んでからの技術でカバーできる。ところが貴景勝のようにパワーありきの押し相撲だと、衰えや負傷を技術でカバーすることが難しい。押し相撲だけで横綱を目指すなら、チャンスは若いうちしかない。稀勢の里(現荒磯親方)のように何度も綱とりに挑戦し、30歳で昇進というのはまず、ありえませんよ」
横綱の昇進条件は「2場所連続優勝、あるいはそれに準ずる成績」。安定感に欠けるといわれる押し相撲では、ただでさえハードルが高い。
もっとも、当面は綱とりどころか、大関から陥落しないことが最優先だが……。