進路に悩む高3の菅野に中日打線を抑えられるか想像させた
■原監督の「スライダーに頼るな」
高校の時からそういう傾向があったが、プロ入り後もスライダーに頼り過ぎるところがあった。伝家の宝刀といえる最大の武器だが、それで痛い目に遭うケースもあった。なぜか。
横変化のスライダーは、曲げようとする意識が強いと腕が横振りになってしまい、その結果、左肩の開きが早くなって、直球を投げる際にボールが見やすくなる。開きが早い分、直球がシュート回転してしまうこともある。直球の質が落ちてしまうのだ。「ストレートあってのスライダーなんだよ」と菅野と捕手の小林誠司に話したことがある。 原監督もよく菅野に注意していた。正しいフォームで直球を投げていれば、スライダーも直球の軌道からキュッと曲がるため、打者を幻惑できる。好成績だった昨季はこれができていた。
原監督といえば、私が見てきた他の監督と違うところが多かった。
まずは決断の速さ、大胆さだ。
「今日は若手でいこう」と言ったと思ったら「じゃあ、こことここを若手にしよう。ベテランは休んでいい」とテキパキとコーチ陣に指示を出す。