巨人は開幕勝ち越しでも喜べない…今季これだけの不安材料
恐怖の助っ人来日で次戦登場
細かいミスも相次いだ。開幕戦の2点リードの八回。1死一、三塁の場面で代走起用された吉川が、石田の一塁牽制に飛び出し、三塁走者の代走・重信が三本間で挟殺された。3戦目には1点ビハインドの六回に松原と今村が相次いで送りバントを失敗した。同じく巨人OBで評論家の高橋善正氏がこう指摘する。
「原監督は終盤の勝負どころで足を使ったり、小技を使った細かい野球を好む。今年は延長戦がなく九回で終わるため、さらに増えるでしょう。引き分けた28日の試合で勝ち切れなかったのも、バント失敗が響いた形。今のDeNAにはソトやオースティンといった外国人選手が一人もいない。次の対戦から出てくるとしたら、開幕カードは3タテしておきたかったはずです」
確かに巨人には悪いニュースかもしれない。DeNAの助っ人勢が27日に来日した。特に打線の中核であるソト、オースティンは巨人の投手陣にとっては脅威。昨年はオースティンに4本塁打、12打点を許した。ソトは昨年こそ3本塁打に抑えたものの、2冠王となった2019年は打率.283、13本塁打とリーグで最もカモにされている。
巨人の首脳陣はこの2人が開幕に間に合うか否かを気にしていたという。最短で4月11日には合流できる見込み。次の同16日からの対戦では揃って出てくるかもしれない。
■エースぶつけられる「包囲網」
「ライバル球団が『包囲網』を敷いてきたことも、巨人にとっては厄介でしょう」とは前出の高橋氏。昨年の沢村賞投手である中日・大野雄は昨年の巨人戦で2勝2敗ながら防御率は1.32。阪神・西も3勝1敗、同1.77。2人のエースは共に開幕戦の登板を回避して巨人戦に照準を合わせている。前出の高橋氏がこう言った。
「昨年巨人に独走を許したセ5球団は、今年こそ巨人戦を強烈に意識して、少なくとも球宴までは走らせないように共闘するべきです。『巨人以外に勝っても同じ1勝』と言う監督がいますが、同じじゃありません。そうやって逃げるから巨人が独走する。逆にそういう球団が出てきたということは、エースとの戦いが続く巨人が、今年は消耗戦を強いられるということです」
故障者も怖い。オープン戦から好調だった二塁手の若林が、右太もも裏の張りのため、28日の試合を欠場した。27日の試合で走塁中に痛め、途中交代していた。
「肉離れの一歩手前でしょう。これはクセになる箇所で完治しないから怖い。練習では加減できても、試合ではどうしても負荷がかかってしまう。オープン戦から打撃好調で注目していましたが、もったいない。ペナントレースは各チームがどれだけ故障者を少なくして戦えるかがカギ。坂本の腰など不安を抱える選手がいるだけに、2勝1分けスタートといっても油断はできません」(高橋氏)
今季のセ・リーグは混戦になるか。