金田正一監督からもらった1500万円相当のサファイアの指輪
「チームのMVP賞はサファイアの指輪だ!」
1990年の開幕前、監督に復帰した金田正一さんは、選手全員の前でこう宣言した。
チームの勝利にいかに貢献するか、日々考えながらプレーした結果、打率・338で首位打者を獲得することができた。シーズン終了後、金田さんから直々に、指輪をいただいた。マスコミは当時、時価1500万円と報じていた。実際、手に取って見ると、サファイアの周りにはダイヤが施され、とても立派なもので、もらってすぐに妻にプレゼントした。
金田さんは就任直後に、「ワシの夢は高橋(慶彦)と西村で年間100盗塁すること。2人で盗塁王を争ってほしい」と話した。前年秋、広島からトレードでやってきた慶彦さんとともに、期待を寄せてくれていることはひしひしと伝わってきた。89年に就任した選手会長も継続。30歳を迎え、チームに年上の選手が少なくなる中、ヘッドコーチの徳武定祐さんとチームのことについて何度も会話を重ねた。
遠征先の宿舎や、チームの日課になっていた散歩のときに、