金田正一さんのキャンプ初練習は異例の「早朝早歩き30分」
金田正一さんが監督なら、そうなることは覚悟していた。
1974年に日本一を達成するなど、73~78年に監督を務めた金田さんが90年、12年ぶり2度目の監督に就任した。
1月の合同自主トレ。当時は、キャンプ前に監督やコーチ、選手が一堂に集まり、練習していた。初日、ストレッチや腹筋、背筋、サーキットトレーニングを終えるや、いきなり30分間走が課された。
■アップだけでヘトヘト
掛け声を交え、選手が隊をなして、ただひたすらランニングする。1度目の監督時代、とにかく「走れ、走れ」で徹底的に走り込みを課したと聞いていた。走る量が増えることは分かってはいたが、このウオーミングアップだけで1~2時間もかけてやる。終わったらもうヘトヘトで、それだけで一日は終わりのようなものだった。
私は20~30メートルの短距離ダッシュなら何本やっても平気だったが、400メートルトラックやポール間を往復する中長距離走が好きではなかった。