金田正一監督からもらった1500万円相当のサファイアの指輪
「若い選手はどうだ?」
「こういうふうに思ってるんじゃないですか」
と、進んでコミュニケーションを取った。シーズン中は、監督やヘッドと選手が1対1で話す機会は限られる。投手出身である金田さんは、野手出身の徳武さんを通じて、選手の性格などを理解、把握しようと努めていた。
90年はチームとしてはリーグ5位に終わった一方、個人的には初の首位打者を獲得することができた。3月に右太ももを肉離れし、5月には左足首を捻挫するなど、両足の状態がイマイチで、5年連続の盗塁王は難しいと考えていた。打撃だけでも何とかしたいとシーズン途中ながら打撃フォームを改造したことが、首位打者獲得につながったと思っている。
左打席の際、左腕をより強く使える方法がないか模索した。コーチからも、ヘッドが下がるクセを指摘されていた。
いろいろな打ち方を試す中、右手と左手の間を拳ひとつ分くらいあけてティー打撃をしてみると、左手をよりスムーズに使うことができ、ヘッドも立った状態でスイングできた。結果、より強い打球を打つことにつながった。