金田正一監督からもらった1500万円相当のサファイアの指輪
試合では練習時ほどではなかったが、右手と左手の間を心持ちあけて、バットを握った。相手チームは内野安打を警戒して、三遊間を狭める傾向があったから、その間を抜く練習を繰り返した。
シーズン最終戦の10月18日の近鉄戦では、「記録」がかかっていた。最初の1打席目で安打を打てば、打率・341となり、当時、広島の正田耕三さんが持っていた両打ち選手としての首位打者獲得時の最高打率・340(88年)を抜くことができた。
それでも金田さんは、試合前「今日は代えないぞ。最後まで打席に立て」と言った。結果的に4打数1安打で記録をつくることはできなかったが、「自分の実力で記録を抜け」というメッセージだと受け止めている。 =つづく