逆転負けの大阪桐蔭にはドラフト候補5人「重視するのはプロで勝負するという意志の強さ」
野手の注目株は花田だね。力強いスイングをするし、走攻守がそろっている。だけど大阪桐蔭の選手たちは大学進学の傾向が強い。彼らがプロ志望届を出すのであればともかく、進学したいのなら好きにすればいいさ。オレたちは「学歴なんて関係ない、すぐにプロで勝負したい」っていうようなハングリー精神旺盛な選手が欲しいのさ。
その点、松浦は試合後すぐにプロ志望を表明しただろ。最速150キロの貴重な左腕で身長186センチ、94キロと恵まれた体を持っているし、右打者の内角をグイグイ攻める投球ができるのが魅力だ。上位で指名する球団もあるかもしれない。
■カネ、抱き合わせ
今後、本人がプロ志望届を出せば、場合によっては選手と面談をすることになるわけだけど、いやぁ、ずいぶんとスムーズでクリーンな世界になったと感慨深いよ。大学、社会人の選手に逆指名が認められていた時代は、アマの監督に好き放題やられた。高校生も、監督から希望球団以外は大学進学なんて伝えられ、事実上の逆指名する例もあったからね。「選手を欲しいなら、オレにカネを積め」という監督も珍しくなかったし、“抱き合わせ”を要求されたこともある。「Aを取るなら、ついでにBも取ってくれ」って具合にね。オレも、Bはあまり魅力のない選手だけど本命をくれるのならと、背に腹は代えられずにセットで選手を獲得したことがある。
でも、フタを開けたらBの方が活躍したってケースが何度もあった。Bはどうしてもプロでやりたいから監督に頼み込んだわけで、入団後も必死にやる。思わぬ成長を遂げることがあるわけだ。だから、プロで勝負したいという意志の強さも重視するってことさ。=つづく