著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神伝統の愛されキャラが現役引退 俊介外野手のセカンドキャリア

公開日: 更新日:

 その予感は的中し、以降の俊介はまさに外野の控えとして一軍ベンチに座ることが多かった。キャリアハイは119試合に出場し、216打席で打率・292を記録した13年か、もしくは74試合の出場にとどまりながらも202打席で打率・309を記録した17年か。いずれにせよ、そういう感じの一軍以上レギュラー未満の現役生活だった。

 それでも、俊介は不思議と印象に残る選手だった。それは11年に金本知憲の連続試合出場記録を1766でストップさせる要因となった盗塁失敗であったり、その金本や城島健司といった体育会系のアニキ肌選手からいじられることが多かったり、なにかとヤラカシ系かつ愛され系のキャラとしてファンに浸透していたからだろう。

 その意味ではかつての狩野恵輔や田中秀太、さらに遡ると元祖は川藤幸三にまで行き着くところの、これも一種の虎の伝統を感じさせる。レギュラー未満の実績でありながら、球団やファンに愛されて引退後のセカンドキャリアがそれなりにうまくいくパターンだ。

 一部報道によると、阪神球団は引退後の俊介になんらかのポストを用意することも検討するという。ああ、やっぱりと思った。なんとなく、俊介はこの先もずっと阪神周辺にいそうな気がする。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド