大谷翔平は満票だったが…メジャーで不可解なMVP選出は過去にごまんとある
メジャーリーグのMVP投票の結果が18日に発表され、大谷翔平が満票で選出された。大谷は当初から本命視されていたので順当な選出だったが、これまでのMVP投票を振り返ってみると、首をかしげたくなるケースが多々ある。
2000年以降でもっとも激しいブーイングにさらされたのは02年のア・リーグMVPになったミゲル・テハダ(アスレチックス)だ。なぜなら本命視されていたアレックス・ロドリゲス(A-ROD=レンジャーズ=当時、以下同)より本塁打が23、打点が11少ないのに大差でMVPになったからだ。
その背景にあるのは、MVPにふさわしいのは大躍進を遂げたチームの牽引車になった選手、という旧式の固定観念だ。その年、アスレチックスはシーズン後半に勢いがついて103勝59敗。それに対しレンジャーズは72勝90敗。当時のMVPの投票権を持つ全米野球記者協会所属の記者たちは、まだ個人成績とチームの勝ち星を関連させて考える習性が抜けていなかったので、大半がテハダに1位票を投じたのだ。
06年のア・リーグMVPにツインズのモーノーが選出された時もブーイングが湧き起こった。多くのファンがジーター(ヤンキース)の初選出を確信していたからだ。1位票15対12という僅差ではあったが、予想を覆す結果になったのは、記者たちの一部に常に脚光を浴びるジーターを快く思わない感情があり、その票がモーノーに流れたからだ。