同級生が語る新庄剛志 「貪欲さと前向きさ」は高校時代もメジャー時代も変わらない
西村慎太郎(西日本短大付高監督)
新庄剛志監督(49)の母校・西日本短大付(福岡)の野球部は当時、軍隊ばりの厳しさがあった。
「全体練習は16時から深夜0時まで。1年時は朝5時からグラウンドの整備です。全寮制とはいえ、今では考えられない時代ですよね。我ながら、よく辞めなかったなと思うくらいしんどかったです」
苦笑しながらこう語るのは新庄の高校時代の同級生で、現在は同校野球部の監督を務める西村慎太郎氏(49)だ。
特に部員を苦しめたのがポール間走だった。100本ダッシュを命じられることは日常茶飯事。その上、時間制限まで設けられ、クリアしなければ回数にカウントしてもらえなかったという。西村氏が続ける。
「先輩が『あと1本、クリアしたら終わり』と言ってくれるのを待ちながら、ひたすらに走る。でも、先輩が声を掛ける頃には体力がもう尽きていますから、『あと1本』が終わらない。その中でただひとり、新庄だけはあっさりとクリアしていました。『中学時代の方がキツかった』と(笑い)。全体練習が終わる0時以降も1、2時まで当たり前のようにバットを振っていました。彼の高校時代はコツコツと練習しているイメージしかないです」