ソフトバンクが球団初の「分離キャンプ」 その狙いと得られる“2つのメリット”
チーム強化の一助になりそうだ。
ソフトバンクは20日、来春のキャンプを宮崎と福岡・筑後の二軍施設で分けて行うと発表した。宮崎では一、二軍中心の70人程度で、筑後は若手や育成選手主体の30人ほどになるという。
これまでソフトバンクは主力から育成契約1年目の選手まで、全員宮崎の生目の杜運動公園で行っていた。「球界の寝業師」と呼ばれた故・根本陸夫球団社長自ら設計に関わった施設は、「12球団一のキャンプ地」ともっぱらだ。
しかし、育成選手が多く、20日現在、12球団2位の20人。今年のドラフトでは育成だけで14人を指名した。こうなると、いくら宮崎の施設が優れているといってもキャパオーバー。練習効率も悪くなるため、まだ一軍抜擢には及ばない選手をひたすら筑後で鍛えるのは理にかなっている。
「選手の意識も変わるのではないか。宮崎の施設は一軍が練習するメイン球場の隣にサブ球場があり、二軍以下はそこで練習していた。同じ場所にあるので一軍首脳陣の目に触れる機会もあり、一軍主体の紅白戦で育成選手が抜擢されることもあった。しかし、分離キャンプではそれも難しくなる。筑後組はまだ二軍選手とすら見られていない証拠。彼らには『次のキャンプは絶対に宮崎で!』と発奮材料になる」(球団OB)
効率化と意識改革の一石二鳥ということだ。