今年もコロナがプロ野球キャンプを直撃! 選手を待つ軟禁生活、球団も収入減、飲食店大打撃

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 今年もコロナがプロ野球界に暗い影を落としつつある。

 17日、佐賀で自主トレを行っているソフトバンク柳田悠岐(33)や日本ハム清宮幸太郎(22)ら6選手がPCR検査の結果、新型コロナの陽性判定を受けた。他の自主トレ選手も含め、この日だけで6球団計14人が陽性となるなど、コロナ禍が広がりを見せている。

 日本はオミクロン株の大流行による第6波が到来。昨18日は東京都で新たに5185人が感染するなど全国の1日の感染者数は3万人を超えた。

 問題は2月にスタートするキャンプだ。日本ハムや阪神など9球団が大挙する沖縄では、米軍関係者も含めた感染者数が急増し、まん延防止等重点措置を適用。巨人など6球団が集まる宮崎もこの日、「まん防」適用を政府に申請した。第6波のピークは2月ごろとみられており、このまま感染者が増え続ければ緊急事態宣言下でスタートした昨年と同様、大きな打撃を受けかねない。

■外出はコンビニだけ

 何より気の毒なのは選手たちだ。

「昨年のキャンプでは事実上の軟禁生活を強いられましたからね」とは、球界OB。

「定期的なPCR検査はもちろん、選手、チーム関係者は基本的に宿舎と球場を往復するだけ。球団によって規律は違い、感染が落ち着いたキャンプ中盤以降、休日のゴルフを許可したパ球団もあった。ただ、それもプレーだけで、クラブハウスでの会食は禁止。これはかなり恵まれていた方で、練習帰りに宿舎近くのコンビニで、時間制限を設けての買い出ししか認めなかった球団も少なくない。宿舎内でも制約が多く、行きつけの飲食店にケータリングをお願いしたり、出前サイトで食べたいものを注文するくらいしか楽しみがなかった。セ球団の某選手はキャンプ最終日も外食がかなわず、高級豚しゃぶをお取り寄せ。自室でささやかな打ち上げをしたそうです。今年はPCR検査回数を増やすことが検討されるなど、再びさまざまな制約を課されかねないと、選手たちはゾッとしています」

 昨秋のフェニックス・リーグでも選手、球団関係者は外食禁止。開催地の宮崎では、名物である地鶏の出前が盛況だったという。

一律年俸ダウン、契約見直し…

 制約を課す側の球団も、ダメージは大きい。

 コミッショナーやNPBはキャンプの有観客開催を目指しているものの、昨年と同様、無観客となる可能性はゼロではない。

 そうなると今季もキャンプ期間中の収入はほぼゼロになる。キャンプ開催費用は帯同する人数にもよるが、一、二軍合わせて1億円以上といわれている。キャンプ中の練習試合はそもそも入場無料とはいえ、数試合が予定されているオープン戦のチケット収入はもちろん、ファンが訪れなければ現地でグッズを売ることすらできない。プロ野球はキャンプ、オープン戦と公式戦が連動している。キャンプが盛り上がりに欠ければ、公式戦の客足にも影響しかねない。メディア関係者が明かす。

「東京では2月中旬に1日の感染者が1万人に達するとの予測もある。今季も観客動員に制限がかかるかもしれない。コロナ禍の過去2年間で各球団は大きな減収となっている。ロッテは昨オフの契約更改を巡り、選手が下交渉の段階で『一律25%ダウンからスタートする』と説明されたとして騒ぎになったし、ある球団ではシーズン途中で選手に契約の見直しをお願いしたほど。1勝するたびに球団が選手、スタッフに支給する勝利ボーナス(数万円程度)をカットしたり、球団によっては十数人規模の支配下選手を育成で再契約したり……。すでにコロナ不況によるひずみは出ており、中でも資金力に乏しい球団はジリ貧です」

 報道陣や評論家、OBも頭が痛い。コロナ禍以降、一部の対面取材を除き、普段はグラウンドレベルでの取材は禁止。囲み取材の機会はあるにはあるが、選手と1対1で取材できるケースはめったにない。

「取材者に人数制限がかけられることで、我々、評論家や解説者も頭を抱えている。メディアの一員として扱われるため、キャンプ地に入れない人が少なくない。臨時コーチやYouTubeチャンネルで収入を得られる一部の大物OBはさておき、野球では食べていけません」(前出のOB)

■200億円がパー

 キャンプ地からも嘆き節が聞こえてくる。

 コロナ前の歓楽街は選手、関係者、観光客で賑わうのが常だった。仮に選手4~5人で焼き肉を囲めば会計は5万円は下らないし、そのあとキャバクラにハシゴすれば、そこでも数万円単位のカネが落ちる。飲食店が大打撃を受けるのは必至だろう。

 すでにJリーグの複数クラブがキャンプを中止している沖縄では、りゅうぎん総合研究所によるとコロナ前の2019年は40万8000人の観光客が訪れ、141.3億円の経済効果があったものの、無観客開催となった昨年は5分の1以下の23.6億円と激減。宮崎も、県外からのスポーツキャンプ・合宿の受け入れによる経済効果(21年1~3月)は前年比88%減の14億円にとどまった。両県合わせて200億円規模のカネが吹き飛んだことになる。

 選手や関係者、地元民の安心・安全を最優先すべきとはいえ、今年もコロナに泣かされそうな雲行きだ。

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