「5年以内に甲子園へ」と依頼が…星野仙一さんの遺志を継ぎ専大北上高監督に
阪神のスカウトの契約が終わった2016年12月、学生野球資格回復制度の研修を受け、日本学生野球協会の適性認定を受けた。
すると、年末に母校の元専大監督・江崎久さんから岩手の専大北上高の監督就任を打診された。江崎さんは準硬式野球部監督から硬式野球部監督に転身した人物。専大北上の当時の理事長とは同級生で懇意にしていたという。専大監督を退任後、大学の職員としてグループ全体を見渡しており、私が阪神を退団したことを知り、「中尾を監督として迎えたらどうだ?」と理事長に推薦し、承諾を得た上で連絡があったというわけだ。
私は当初、小学生のリトルリーグや中学生のシニアなどで教えたいと思っていた。中日時代の恩師・星野仙一さんに「プロ野球が終わったらアマチュアに貢献しろ。特に低学年の子供の野球人口を増やさなきゃならん」と言われていた。星野さんの教え子では、明大の後輩で元ヤクルトの広沢克実が中学の硬式野球リーグ・日本ポニーベースボール協会の理事長を務めている。「野球人口の裾野を広げる」という星野さんの遺志を継いだものだろう。