サニブラウン100m完勝もトップ選手は精彩欠く…日本スプリント界を襲う「冬の時代」
ケガ人も少なくない。東京五輪直前に9秒95の日本記録を出した山県亮太(30)は昨年10月に右膝を手術して日本選手権を欠場。ケンブリッジ飛鳥(29)は4月末に交通事故による頚椎捻挫などの影響で出場を取りやめた。
相次ぐ主役たちの苦戦と不在。東京五輪後による“燃え尽き”の可能性もあるとはいえ、五輪時からその兆候はあった。
100メートルに出場した多田、小池、山県は全員予選敗退。2016年リオ五輪で銀メダルを獲得し、東京でもメダルを期待されていた4×100メートルリレーもバトンミスで「途中棄権」に終わった。
パリ五輪が開催される2年後の24年には、山県やケンブリッジは30代、サニブラウンや小池らも20代後半に差し掛かり、顔ぶれがガラリと変わる可能性もある。
「デーデー・ブルーノ(22)も今大会は準決勝で敗退するなど、今季はなかなか結果を残せていない。パリ五輪で期待できるのは桐生や山県らよりもむしろ、昨年の日本選手権で高校生としてサニブラウンに並ぶ高校歴代2位の10秒22をマークし、この日の決勝で10秒19で3位に入った東洋大1年の柳田大輝(18)の方かもしれない、との声も出ています」(放送関係者)
東京五輪から懸念されてきた日本短距離界の低迷、しばらく続きそうな気配だ。