来季「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」見送りに透けるMLBのしたたか興業戦略
7月のオールスター戦やトレード期限と9月の地区優勝争いの間に挟まれる8月は、長らく大きな話題に乏しい時期であった。
■長期的視野に立って利益を追求
いわば閑散期である8月に人々の関心を集める催事を行う意味は大きく、機構は競争力のある商品を手にしたことになる。しかも、今後、「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」は球界の新たな伝統としての役割を与えられ、重要な試合になるだろう。
そうなると、通常の客席数は3000席であり、今回のような特別の催事の場合に8000席まで臨時で増設される球場の設備では物足りず、周囲には十分な宿泊施設もないダイアーズビル地区は、興行面からすると心もとない場所となる。
昨年、元ホワイトソックスの選手で野球殿堂入りしたフランク・トーマスらが映画「フィールド・オブ・ドリームス」の撮影現場関連の施設や地所を購入すると、新たな球場を含む複合施設や高級ホテルの建設など、球場一帯の再開発を進める計画を発表したのは、機構側の懸念に応える措置だった。