来季「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」見送りに透けるMLBのしたたか興業戦略
現地時間の8月11日、アイオワ州ダイアーズビルで「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」が行われた。
ヤンキースとホワイトソックスによる昨年の第1回につづき、今回はレッズとカブスが対戦し、4対2でカブスが勝利を収めた。1998年以降に行われた大リーグのレギュラーシーズンの試合の中継として過去最高の視聴者数を獲得した昨年には及ばなかったものの、FOXスポーツのテレビ中継を約310万人が視聴しており、依然として人々の関心が衰えていないことを示している。
両チームとも袖を通すのが真っ白なユニホームであることや、試合の“原典”である1989年の映画「フィールド・オブ・ドリームス」を連想させるトウモロコシ畑の隣に立つという球場の姿は、人々が漠然と思い描く「古き良き時代の野球」を現代に再現するための優れた仕掛けだ。
一方、こうした特徴は、「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」の魅力であるとともに、弱点でもある。特に客席数を含む球場の設備は大きな問題となる。
「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」への注目度や、専門誌「スポーツ・ビジネス・ジャーナル」の2021年最優秀スポーツイベント賞の候補になるといった話題性の高さは、大リーグ機構にとって入念な宣伝戦略が奏功された形であった。