日本最高齢で心臓移植手術に70歳男性 手術までの6年はゴルフが一番のストレス解消法
心臓のポンプ機能を高める補助人工心臓(VAD)の植え込み手術が受けられるのは64歳まで。
川崎さんに残された時間は少なく、急いで臓器移植ネットワークに心臓移植の申請登録を行い、VAD植え込み手術を受けて6年ドナーを待った。
「昨年のデータで心臓移植に923人が希望登録して、1年間に移植が行われたのはそのうちの59人。70代での移植例はなく、何歳まで移植が受けられるのだろうとずっと気がかりでした」
移植までは感染症や肺炎にかかり入退院の繰り返し。退院するたびにメンバーコースの錦ケ原ゴルフ場に出かけ、腰に3キロ近くあるVADのバッテリーとコントローラーを付けてプレーを楽しんだ。
「入院しているとストレスがたまる。医師からはゴルフをしないほうがいいと言われましたが、ゴルフ場でおいしい空気をいっぱい吸い込み、白いゴルフボールをかっ飛ばすのがストレス発散の一番の楽しみでした。心臓の提供適応年齢はドナーは50歳までが望ましいと言われていますが、現実、50歳を越えた移植も実施されており、多くの心臓移植を待ち望む人たちの願いがかなうようになればいいと思います」
今ではVADバッテリーもコントローラーも不要になり、「シャワーだけでなく、風呂にも入れるようになり幸せだと思う。また海外の景色のいいところでプレーしたい」と、健康を取り戻した川崎さんの夢は膨らむ。