コアな野球ファンの情報はバカにできない…大学選手権で耳にした2人組の核心を突いた会話
先日の大学選手権でのことだ。
マウンド上ではオレが担当する関東の出場校の2年生右腕が投げていた。ストレートの球速は150キロ超。変化球のキレもいい。
隣に座っていた部長はしばらくの間、彼のピッチングを見ていると、オレたちの前の席の2人組に声を掛けた。
2人はスコアを付けながら試合を見ていたけれども、スカウトでもマスコミ関係者でもない。トシの頃なら60過ぎ。球場によくいる熱心な野球ファンといった感じの人たちだ。
「いま投げてる子、普段はどうなの? きょうくらいのピッチングはしてるの?」
すると、2人組のうちのひとりが間髪を入れずに答えた。
「普段はこんなもんじゃありませんよ。スピードももっと出るし、きょうは投げてないけど、いいフォークももってるんです。打者の手元で、スト~ンと鋭く落ちる。無名の公立校出身なんで、さほど注目されてませんけど、とにかく三振をよく取るピッチャーですよ」