全日本大学野球選手権で注目 ドラフト上位候補4人の「武器と泣きどころ」
常広羽也斗(青学大/投手・右投げ右打ち)
神宮球場などで行われている全日本大学野球選手権は10日に準決勝、11日に決勝が行われる。毎年、この大会で活躍してプロの評価を上げる選手がいるが、今大会はどうか。ドラフト上位候補4人の武器と泣きどころは──。
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大分舞鶴高では県4強が最高。実績がないため、スポーツ推薦で進める大学はなく、指定校推薦で入学した。青学大は少数精鋭で、本来はスポーツ推薦でなければ硬式野球部に入部できないが、たまたま大分舞鶴の先輩が在籍していたことで、特別に入部を許可された。
身長180センチ、体重73キロと細身の体格ながら、最速153キロをマークする。某球団のスカウトは「直球の伸びとフォークの落差が武器。バランスが良くて、しなやかな投球フォーム。ドラフト候補全体でもトップクラスの評価」と絶賛する。
アマ球界に詳しい「流しのブルペン捕手」ことスポーツライターの安倍昌彦氏がこう言う。
「私のイメージは楽天の岸孝之です。力感のないフォームから常時140キロ台後半の球がくるから、打者は差し込まれます。右打者のアウトローへ150キロ近い球を続けて投げられる制球力もある。ストレートに角度があってスピンが利いている。ホームベース上で回転がほどけない伸びる球。捕手のミットに突き刺さる球質ですね。変化球もスライダー、カットボールがあってフォークという決め球も持っている。大分舞鶴時代はそこまで投げ込んでいないため“肩が若い”のもいい。まだ細身なので、課題を挙げるとすれば、スタミナでしょうか」
8日の中部学院大との準々決勝に先発し、6回3安打無失点。三回には自己最速タイとなる153キロをマークし、「途中からは力感なく投げられた」と冷静に振り返った。前出の安倍氏は「この春は熱を出して登板を回避したこともあるが、体調が万全なら、今秋のドラフトでは1位で複数球団が競合する投手」と太鼓判を押す。