著者のコラム一覧
太刀川正樹ジャーナリスト

1946年、東京生まれ。国際ジャーナリスト。早稲田大学教育学部英文科在学中、韓国国立ソウル大学語学研究所へ留学、韓国語を学ぶ。講談社の日本語版「ペントハウス」ニューヨーク特派員などを経験。著書・訳書に「政権交代」「平壌十五号官邸の抜け穴」「オリンピック30年」など。

【defy description】筆舌に尽くし難い、言葉で表現できないことが続く大谷

公開日: 更新日:

 6月の大谷翔平の嵐のような活躍ぶりに、米メディアも表現する言葉がなくなったか。

 先月は27試合すべてに先発出場し、打者として打率.394、15本塁打、29打点、4盗塁。月間15本塁打は球団新記録にして日本人選手最多という爆発ぶりで、自身3度目の月間MVPに輝いた。

 これまで、「Amazing(素晴らしい)」「he is not human(人間技ではない)」「unreal(現実とは思えない)」「otherworldly(別世界の、異次元の)」「incredible(信じられない)」などの美辞麗句を駆使してきた米メディアの記者たちも、ついに「defy description(筆舌に尽くし難い、言葉で表現できない)」という究極の表現を使い始めた。地元紙の「オレンジ・カウンティー・レジスター」も記事の冒頭から「As Shohei Ohtani continues to defy description(筆舌に尽くし難いことが続く大谷)」という枕ことばを使っていた。

“Description”は「表現」「描写」「説明」「品種」「形容」といった意味があり、“defy”は「反抗する」「逆らう」「無視する」「挑戦する」といった動詞だ。メディアもお手上げ状態というわけである。

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