大谷翔平が打てば打つほど“トレード騒動”過熱の皮肉…3戦連発35号にヤンキース舌なめずり
プレーオフ進出圏内の全球団がオファー
エンゼルスが貯金を吐き出してからというもの、米メディアの多くが、今季終了後FAになる大谷のトレード情報を報じている。大リーグ専門局「MLBネットワーク」の敏腕記者として知られるジョン・ヘイマン氏は「(エ軍の)モレノオーナーは同じロサンゼルスに本拠地を置くドジャースへの放出は認めないだろう」と予想。
レッズやナショナルズでGMを務め、現在は「ジ・アスレチック」のアナリストであるジム・ボーデン氏は関係者の話としてヤンキースへの移籍を否定し、最有力候補にレイズとドジャースを挙げている。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏は「ポストシーズン進出を狙う大半の球団が、エ軍に大谷の譲渡を打診するでしょう」とこう続ける。
「ナ・リーグ東地区を独走し、ワールドシリーズ制覇を見据えるブレーブス、7年連続ポストシーズン進出を目指すヤンキースなどの資金力豊富な球団はもちろん、他球団も指をくわえて見ているはずがない。大谷の8月以降の年俸負担は約14億円で済むだけに、レイズのような低予算で運営する球団でも十分に賄える。
特にレイズは4年連続でポストシーズンに進出し、20年にはワールドシリーズで敗退、短期決戦で結果を残せていない。若手有望株が豊富なレイズやオリオールズは豊富な交換要員を餌にエ軍に交渉を持ちかけるでしょう。もちろん、エ軍と同地区のレンジャーズの他、ナ・リーグも触手を伸ばすはずで、ドジャース、ジャイアンツのライバル同士が争奪戦を繰り広げる可能性もあります」
実際、レイズのニアンダー編成本部長はMLBネットワークのラジオ番組に出演し、「交換できる若手有望株はいる。資金もある。オーナーグループのサポートもある」と獲得に自信を見せた。
エ軍は日本時間18日現在、47勝48敗の勝率.495。首位レンジャーズと9ゲーム差のア・リーグ西地区4位。ワイルドカード争いでは圏内3位のアストロズと5.5ゲーム差で、プレーオフ進出を諦める状況ではない。
大谷は自身が熱望する「ヒリヒリする9月」を過ごすために、孤軍奮闘を続けているが、その活躍ぶりが他球団の評価を高め、放出に拍車がかかるとすれば皮肉な話ではある。
■完全試合男ヘルマンを攻略
その大谷は日本時間19日のヤンキース戦に「2番・DH」で出場。3打数1安打1打点で、打率.307とした。
大谷は3-1と2点リードの五回1死一塁から右翼線に適時三塁打。続くモニアックの右前打で決勝のホームを踏んだ。この日は一発は出ず、自身初の4試合連続本塁打はならなかったが、6月29日のアスレチックス戦で完全試合を達成した相手の先発右腕ドミンゴ・ヘルマン(30)を攻略した。
エ軍の先発左腕サンドバルが7回3分の1を2安打1失点の好投で5勝目(7敗)。ウェブ、エステベスの救援陣が無失点でつなぎ、チームは48勝48敗の勝率5割に戻した。なお、大谷の次回登板は22日のパイレーツ戦(アナハイム)に決定。中6日のマウンドで8勝目(5敗)を目指す。