大谷トレード移籍先に「レイズ」急浮上! ウォール街出身オーナーとフロントが獲得にはじくソロバン
今夏のトレード市場の目玉である大谷翔平(29)の移籍先に意外な球団が浮上している。
今オフFAを取得する大谷を巡って、ヤンキース、ドジャースなど資金力豊富な球団が移籍先として有力視される中、ここにきて最も大谷と縁が薄いとみられていた球団が手を挙げているのだ。
ア・リーグ東地区で首位争いを演じるレイズだ。ウォール街の投資銀行出身のスチュワート・スターンバーグ・オーナーの方針から、低予算でチームを運営していることで知られ、今季開幕時の年俸総額7700万ドル(約107億円)は30球団中27位。貧乏球団のレッテルを貼られながらも、同地区の金満球団であるヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズを相手に、毎年のように互角以上の戦いぶり。1998年の球団創設以来、これまでワイルドカードも含めて8度のポストシーズン進出を果たしている。
■短期決戦でのもろさ
地区優勝は計4度を数えるが、短期決戦ではもろさがあり、ワールドシリーズには2度(08、20年)出場し、いずれも世界一には届かなかった。悲願のワールドシリーズ制覇を目指すレ軍は大谷のトレードによる獲得に積極的で、ニアンダー編成部長は「交換できる若手有望株はいる。資金もある。オーナーグループのサポートもある」と自信たっぷりに話している。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「レイズは独自の手法で効果的な補強を行い、レギュラーシーズンを勝ち抜くチーム編成を行っています。ポストシーズンで敗退を繰り返してきたのは、経験の浅い若手選手が主体となっているためで、勝負強いゲームチェンジャーの不在が響いているのです。今季のレイズはメジャー新記録にあと1つと迫る13連勝と開幕ダッシュに成功し、地区優勝が確実視されながら、ここにきて好調なオリオールズと入れ替わり2位に転落。3位ブルージェイズに5ゲーム差と迫られている。まずは2年ぶりの地区優勝を確実なものにするためにも、爆発力が見込める大谷は補強ポイントに合致する。傘下のマイナーにはヤンキース、レッドソックス以上に有望な若手を豊富に抱えているだけに、大谷獲得の見返りに惜しげもなく有望株を差し出すはずです」
レイズのローテは左腕マクラナハン(11勝1敗、防御率2.56)、右腕エフリン(10勝5敗、同3.59)の2人は計算できるものの、3番手以降に不安を抱える。打線にしても、アロザレーナ(打率.276、17本塁打、61打点)、ディアス(同.320、13本塁打、43打点)、パラデス(同.257、17本塁打、57打点)の主力打者3人はいずれも右打者で、左打ちの長距離砲が不在だ。
「エースのマクラナハンは故障がちで、左肩を痛めて離脱した昨季に続いて今季は球宴前に背中の張りを訴えて戦列を離れた。大谷を獲得できれば打者としてだけではなく、ローテの軸としての働きが見込めます」(友成氏)