全英女子OP“スポット参戦”日本勢が手に負えないワケ…メジャーコースに「保険」は通用せず

公開日: 更新日:

 日本には「保険は1つまで」という教訓がある。右バンカーを避けて、左の深いラフにつかまっても良しとする考えだ。もっとも、深いラフなど国内のプロ会場ではめったにお目にかかれない。

 しかしメジャーにこの教訓はあてはまらない。

 会場には深いポットバンカーが至る所にあり、ティーショットがバンカーにつかまれば1ペナルティー同然のリスクがある。そのポットバンカーを警戒して、逆サイドを狙えば脱出困難な深いラフが待ち構える。メジャー会場には逃げ道がないからだ。ホールを攻めるには狭いフェアウエーの一点狙いしかない。

「そもそもゴルフ場の概念が海外と日本では違います。海外では自然を相手に困難を切り抜けるのがゴルフの面白さという哲学があります。危険を克服するためにプレーヤーの技術、肉体、精神を試される場所がゴルフ場なのです。だから針の穴を通すように一点を攻略する勇気と覚悟が求められる。しかし、日本の多くのゴルフ場は接待の場としてつくられたので、好スコアが出やすいように逃げ道という保険を用意している。そのうえコースを難しくすると、いいスコアが出ない、試合が盛り上がらないという大会主催者の意向で、ピン位置などの設定もやさしい。右サイドに池があれば、左サイドのスペースが広々しているわけです。メジャーのティーイングエリアに立って、右もダメ、左もダメという視覚情報が飛び込んできたときにスポット参戦の日本選手は経験が足りないだけにマネジメントに戸惑ってしまうのです」(宮崎紘一氏)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド