巨人・阿部新監督「一塁・岡本」「三塁・坂本」「遊撃・門脇」早くも固定明言の深謀遠慮
巨人OBは「ポジションは本職の位置で固定すべき」
阿部監督は三塁に固定する坂本の起用についても、先週21日に出演した日本テレビ「Going!Sports&News」で「サードになって最初は不安がっていたが、難なくこなして、バッティングも上向きになってきた。体力的にも楽なのかなと感じた」と説明。
巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)は、「終わってみれば、チームトップの打率(.288)をマークした坂本の打撃はまだチームに必要なのは分かる。守備範囲の広い遊撃に比べれば、三塁は負担が少ないのも確かです」と前置きしながら「ただし」とこう続ける。
「ここ数年、毎年のように故障離脱を繰り返していて、明らかに年齢による衰えが出ている。負担が減るといっても、坂本が三塁で1年を通じて出られるかは未知数と言わざるを得ない。より負担を減らしたいなら、三塁より断然一塁です。そもそも、2021年から2年連続で三塁手部門でゴールデングラブ賞を獲得した岡本をなぜ一塁へコンバートするのか。ポジションを本職の位置で固定すべきは、チームの顔である岡本であって、坂本と秋広は一塁で併用するのが現実的だと思います」
■大学生遊撃手の目玉候補
実は阿部監督も球団も、最終的には坂本の一塁コンバートを考えているという。しかし、遊撃で5度のゴールデングラブ賞を獲得した坂本のプライドをむげにはできない。
昨季、原監督からの直々の一塁コンバート要請を拒否しており、現時点では三塁転向がギリギリの譲歩ラインだ。チーム関係者は「三塁をワンクッションにして、坂本の選手寿命を少しでも延ばすため、早ければ再来年から一塁への再コンバートも視野に入っていると思う」と言う。
そうなれば、再び岡本和のポジション問題が浮上することになるが、一塁固定方針を「やりたい」と二つ返事で受け入れた岡本和にとっても悪い話ではない。
球界関係者がこう言う。
「来年のドラフト候補に目玉の野手がいる。明大の遊撃手・宗山塁(3年)で、今からダントツの1番人気。巨人もゾッコンで指名する可能性が高い。仮に宗山を取れた時、三塁門脇、一塁坂本という形が出る。メジャー挑戦の希望を持つ岡本からすれば、どういう形であっても坂本が一塁に回ってくれれば、球団がメジャー移籍を認めてくれやすい状況になる。来オフにポスティングでのメジャー挑戦を直訴する可能性がありますからね」
阿部監督も当然、岡本和のメジャー志向は知っている。いずれ流出するケースまで想定したうえでの「レギュラー固定」発言なら、なかなかの策士である。