パリ五輪ラスト1枠懸けたファイナルチャレンジのバカらしさ…MGC3位選手を蹴落とすかの歪んだ構造
このファイナルチャレンジだが、MGC3位の選手からすれば到底納得できない選考法だ。MGCは五輪本番に近い形で10月にペースメーカー(PM)なしの一発勝負で行われた。求められるのは記録ではなく、あくまでも順位だ。ここで3人の代表を決めれば話は早いのだが、そうなると五輪シーズンの主要マラソン大会が注目されなくなるため残り1枠をわざわざ冬のマラソンに残したのだ。
■一発勝負で決めれば早いが…
だが、こちらは設定記録を破るためのPMをつけ、まるで陸連がMGC3位の選手を蹴落とすかのように出場選手をバックアップする。この日の東京マラソンでは五輪を狙う日本人がついた第2集団のPMは1キロ2分57~58秒のラップを刻み、2時間4分台や2時間5分50秒以内のゴールを想定していた。今回のPMは機能しなかったものの、主催者のプランは日本人の「設定記録破り」に重きを置くものだった。前田が日本記録を出した大阪国際も21キロすぎで先頭に立つまではPMのアシストを受けていた。
ある実業団OBが言う。