都市対抗は独特の制度がズラリ…チケットで買う「特定シード」と忖度の「補強選手」
大会を盛り上げるため、一定数以上を動員できるチームが事前申請した上で、指定の日時を指名できる制度だ。
1回戦の日時を選べ、特定シード同士は初戦では対戦しないため、最初の試合から強敵とぶつかるリスクを軽減できるのだ。07年から始まった制度だ。
社員の少ないセガサミーは特定シードを取らないから、同シードを取る強敵と初戦で当たる確率が高い。一方、新日鉄君津が前身のかずさマジックは、かつては千葉の君津市から臨時電車が出るくらい集客できるため、同シードを取る方針だった。ただ、昨年のように、トヨタ自動車とHondaの強豪同士がそれぞれ同じ日時を希望したことで、1回戦で対戦するということもまれにある。
独特な制度で言えば、「補強選手」がその最たるものだ。例えば、東京都なら2次予選に8チームが参加して都市対抗に出場できるのは4チーム。敗退した4チームから、まずは1位通過のチームが補強選手を3人選ぶ。続いて2、3、4位通過チームが順番に3人ずつを選んでいく。つまり、最後の4位で通過すると、敗退4チームからすでに9人が抜かれているため、「補強選手は必要ありません」という状況になっているのだ。
もちろん指名しなくてもいいが、もし翌年、セガサミーが出場権を逃した時、逆にウチの選手が補強選手として指名してもらえないかもしれない。だから1人か2人にするか、無理にでも3人を指名する。忖度するしかないのである。