都市対抗は独特の制度がズラリ…チケットで買う「特定シード」と忖度の「補強選手」
2013年12月に社会人チーム・セガサミーの監督に就任した。
東京の八王子市に専用グラウンド、室内練習場、トレーニングルームが完備。隣接している選手寮には、管理栄養士がいて食事も充実。大浴場も24時間利用可能で、プロも顔負けの設備に驚いた。
2月の宮崎キャンプはソフトバンクの二軍の選手が宿泊するホテルだ。そして、選手が仕事に行くのは月曜日の午前中のみ。火曜日から土曜日は朝から晩まで野球漬けで、日曜日は試合の日以外は休みにした。社会人チームは社業との両立が普通だが、ここまで野球に専念できるチームはほとんどない。逆にこれがプレッシャーになるほどだった。
私は寮で生活したが、食堂にはほとんど行かなかった。
選手は練習以外で監督の顔を見たくないだろうと思い、なるべく外食か近くのスーパーで弁当を買い、部屋で食べるようにしていた。
一番大きな大会に「都市対抗」があって、特殊な制度がいくつかある。「カネで日程を買う」といったら語弊があるが、(当時)1万5000人以上(チケット代にして1000万円以上)を動員できるチームが、1回戦の日時を選べる「特定試合シード」という制度がある。