大谷が語っていた理想の打者への成長プラン…「欲ではないですけど、変なものが出てくる。ですから…」

公開日: 更新日:

2016年3月、21歳の大谷

 ドジャース大谷翔平(30)は過去に3度、日刊ゲンダイの独占インタビューに応じている。1度目はまだ二十歳になったばかりの入団2年目のシーズン中。本格的にスタートした二刀流について初々しく語っていた大谷も、回を重ねるごとに語り口にも落ち着きが出てきた。今や世界一のプレーヤーとなった大谷がその時々でなにを考え、なにを思っていたのか。改めて読み返すことで、大谷の今が見えてくる。

 大谷が成し遂げた前人未到の大記録「54-59」を記念して、過去の独占インタビュー記事を特別公開する。

  ◇  ◇  ◇

 このインタビューの1カ月前、日本ハムが春季キャンプを行った米アリゾナ州ピオリアのスポーツコンプレックスは異様な雰囲気に包まれた。前代未聞の二刀流を実践する大谷を目当てに、50人を超すメジャースカウトと関係者が押し寄せ、その一挙手一投足をチェックした。プロ3年目のシーズンを終えたばかりの21歳はすでに米球界でも注目の的になっていたが、「投打のキャリアハイを積み重ねていけば、見えてくるものがある」と話したのが印象的だった。今回は2016年インタビューの【前編】。

 ──どこをどうしたら、いま以上の投手になれると思いますか?

「確実にいま以上になれるかどうかは正直、自分でも……大半の人は分からないものだと思うんです。ですから、おそらくここのところだろうなということをオフから練習してきました。それが絶対、結果に結び付くということはないでしょうけど、限りなく結果に結び付くような練習はしたいと思っています」

 ──課題は自分の中で分からないということですか。

「例えば制球力を上げたいとか、球速を上げたいとか、結果として見えるものに関してはどうしなきゃいけないというのは分かります。でも、そのために必要な練習とか、じゃ、何をしなければいけないというのは……。これをやれば絶対コントロールが良くなるとか、そういうのは人それぞれ違うじゃないですか。体を大きくしたら結果としてコントロールが良くなったという人がいれば、数を投げてフォームを固めて良くなったという人もいます。ですから、これをやれば絶対良くなるなんてことはないと思うんです。僕がある練習をしてすごくコントロールが良くなったとしても、その練習が合う人もいれば、合わない人もいますから」

 ──投手としての課題のひとつは制球力ですか。

「(制球力は)日々、上がってきているとは思いますけど、やっぱりあって損はない、絶対的に必要な部分ですから」

 ──オフに体重を増やした狙いはパワーアップと技術向上のどちらですか?

「どっちもですね。筋力がないとできない技術やメカニズムや動きがあるので。技術をうまくするためのフィジカルだと思っています。筋力をつければ野球がうまくなるなんてこともありませんから。野球がうまくなるために必要なこととしてウエートトレーニングを入れているだけ。ですから体重が何キロ増えたとか、体脂肪率が何%ということは、僕はそこまで大した問題ではないと思っています。どこまで野球がうまくて、自分のパフォーマンスを高く発揮できる体をもっているかという方が大事です。必要な段階として一回、増量してということは考えていました。そのために必要な練習はオフにできたかなと思っています」

──球速とコントロールのどちらを優先していますか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  2. 7

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  3. 8

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  4. 9

    新庄監督のガマンが日本ハムの命運握る…昨季の快進撃呼んだ「コーチに采配丸投げ」継続中

  5. 10

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に