かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは
2017年1月、22歳の大谷
ドジャース大谷翔平(30)は過去に3度、日刊ゲンダイの独占インタビューに応じている。1度目はまだ二十歳になったばかりの入団2年目のシーズン中。本格的にスタートした二刀流について初々しく語っていた大谷も、回を重ねるごとに語り口にも落ち着きが出てきた。今や世界一のプレーヤーとなった大谷がその時々でなにを考え、なにを思っていたのか。改めて読み返すことで、大谷の今が見えてくる。
大谷が成し遂げた前人未到の大記録「54-59」を記念して、過去の独占インタビュー記事を特別公開する。
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結果的にこの年のシーズン終了後、入札制度で海を渡った。16年オフの契約更改で球団からメジャー挑戦を容認された直後のインタビュー。大谷が思い描いていた「投打の理想」、「永遠の課題」などについても答えている。今回は2017年インタビューの【後編】。
ーー昨年の成績に満足してないそうですが、投手としてどこがどう満足できないのか。
「結果もそうですし、自分が取り組んできて、技術面も含めてもう少しできたかなと」
ーー限られた登板の中でマークした10勝という数字にも満足してない?
「してないですね」
ーーもっと勝てると。
「はい」
ーーどこをどうしたら内容や結果が良くなると思いますか?
「う~ん……それは言葉では言い表せないところの方が多い。自分の感覚の中で、もうちょっとこういうふうにできたんじゃないかと。こういうふうにやりたいなというのを妥協せずにしっかりとやれれば、そういう形で臨めれば、もっともっといい形にはなるんじゃないかと思っています」
ーー自分の理想とする感覚で投げられていないのですか?
「投げられてないというか……半分、こう、妥協してやってますし。それはできることとできないことがある。いますぐできることもあれば、そうじゃないものもありますし。それをやりたかったですけど、まだ、実戦の中でやっていくには早いかなと」
ーーブルペンでできても、試合で実践するわけにはいかなかったということ?
「そうですね」
ーー165キロを投げて話題になりましたけど、160キロ以上の球を投げても当てられたり、前に飛ばされたりするのはなぜだと思いますか? 当てられてもいいんですか、それとも理想は当てられないことですか?
「ん~……当てられても構わないといえば構わないですけどね。バッターをやっていても、別に当たりますし」
ーー165キロでも?
「はい。自分のスイングをした中で当てられているかどうかは分かりませんけど。みんな軽打しにくるので。やっぱりコツコツコツコツくれば、それは速くても当たるかなと。(打者の)タイミングさえ押し込めていればファウルになるので、それで2ストライクまで追い込めれば、フォークなり、スライダーなり、真っすぐなりで、三振は十分取れるんじゃないかと思うんです」
ーーバッターとして22本打っても満足できませんか?
「満足はしていないですね」
ーー理想通りの打撃が打席でできてない?
「できてないですね」
ーー具体的には。
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