元川悦子
著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

滑り込みで南アW杯メンバー入り…「初戦のスタジアムに向かうバスの中から感極まっていた」

公開日: 更新日:

 08年に岡田武史現FC今治会長が監督に就任してからは招集機会も増えたが、「当落線上」から脱出を図るべく、09年の夏に仏グルノーブルへ移籍。そこで29試合.4得点という結果を残し、南アW杯本大会メンバーに滑り込みを果たした。

「ドイツで落選したこともあり、自分にとって南アは『子供の頃から思い描いてきた夢をかなえる場所』でした。お金もいらないし、そこにいられるだけでいいという心境だった。カメルーン戦当日も、スタジアムに向かうバスの中から感極まっていた。涙こそ出なかったけど、あれほど感動したことはなかったと思います」と当日の高揚感を昨日のことのように言う。

■W杯後に燃え尽き症候群に

「南アが終わって、代表への強い思いがなくなったというか、燃え尽きたというか……。南ア直後に(ポルトガル1部の強豪)スポルティング・リスボンへの移籍話があって、行く気満々だったんですけど、破談になって目の前が真っ暗になったというのは本音です。南アで活躍したことでどこかに驕りもあったし、周りの意見も耳に入らなくて、フラフラ宙に浮いてた気がします。自分の中でやる気がうせた時期が1年あったんですよね」

 燃え尽き症候群に似た状況に陥り、11年アジアカップ(カタール)2戦目のシリア戦で負傷して途中離脱。それを最後にザックジャパンに呼ばれなくなり、日の丸から遠ざかった。

 足かけ9年の代表時代は、まさに山あり谷ありだった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    大谷を襲う「申告敬遠禍」…不動のリードオフマン離脱は本塁打王争いの行方にも影響必至

    大谷を襲う「申告敬遠禍」…不動のリードオフマン離脱は本塁打王争いの行方にも影響必至

  3. 3
    南果歩は艱難辛苦を乗り越え60歳で“玉”になった 夫の不倫が原因で2度離婚も初孫誕生に歓喜

    南果歩は艱難辛苦を乗り越え60歳で“玉”になった 夫の不倫が原因で2度離婚も初孫誕生に歓喜

  4. 4
    「あぶ刑事」で鈴江刑事役の御木裕さんは今…小細胞がんで2年半闘病も「節制はしていません」

    「あぶ刑事」で鈴江刑事役の御木裕さんは今…小細胞がんで2年半闘病も「節制はしていません」

  5. 5
    悠仁さま「東大合格計画」は推薦50%時代に悪手なのか…お茶大付→筑付と地歩を固めた集大成

    悠仁さま「東大合格計画」は推薦50%時代に悪手なのか…お茶大付→筑付と地歩を固めた集大成

  1. 6
    絶好調!大谷がオンボロ投手陣相手にますます本塁打荒稼ぎの予感 25日から投壊中のホワイトソックス戦

    絶好調!大谷がオンボロ投手陣相手にますます本塁打荒稼ぎの予感 25日から投壊中のホワイトソックス戦

  2. 7
    天才子役と呼ばれた斉藤こず恵さんは3年前に22歳年下と“コロナ婚”「イケメンゆえ、最初は詐欺かと…」

    天才子役と呼ばれた斉藤こず恵さんは3年前に22歳年下と“コロナ婚”「イケメンゆえ、最初は詐欺かと…」

  3. 8
    大谷翔平の怒りは収まらず…日テレ&フジ「自宅空撮」で“ドジャース出禁”のその後

    大谷翔平の怒りは収まらず…日テレ&フジ「自宅空撮」で“ドジャース出禁”のその後

  4. 9
    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10
    専大松戸の遠征事情…私がほとんど「千葉県以外、関東圏内」の学校としか練習試合を組まない理由

    専大松戸の遠征事情…私がほとんど「千葉県以外、関東圏内」の学校としか練習試合を組まない理由