「重圧は言い訳にならない」とバッサリ、体操界レジェンド池谷幸雄氏が語る「エース不在」の影響
「5人の中で一番成績は上。エースなので、影響は極めて大きい」
こう話すのは、1988年ソウル、92年バルセロナ五輪の体操で計4つのメダルを獲得した体操界のレジェンド・池谷幸雄氏だ。
宮田はパリ五輪の代表選考を兼ねて行われた4月の全日本選手権、5月のNHK杯で、いずれも金メダルを獲得したエース。しかし、そんな宮田を擁してでも、体操女子団体はパリ五輪でメダル獲得は厳しいと言われていた。
昨年10月の世界選手権団体戦予選8位でパリ五輪への切符を獲得したものの、決勝では出場した8カ国中、最下位の8位。1位のアメリカとは10点以上の差をつけられた。
種目別では段違い平行棒とゆかが8位。跳馬は7位、平均台は3位だったが……。
「宮田選手はその跳馬と平均台が得意種目で、22年の世界選手権で銅メダルを獲得した種目は平均台でした。団体戦は一番点数が取れる選手が最後に演技をするので、そのプレッシャーがあったのは確かだと思います。ただ、体操代表は未成年の選手も多く、飲酒や喫煙をしていない選手もいる。プレッシャーがあったというのは言い訳にはならない。今回の代表辞退はケガが理由ではないので、補欠選手の出場は認められません。つまり、4人で出場することになり、点数は宮田選手が出た場合よりも3点以上は下がるのは確実。残された4人の選手は、自分が出なくてもいいと考えていた種目も急遽出なくてはいけなくなったので、演技や点数への影響はかなり大きいでしょう」(池谷氏)
エースを欠いた日本代表はどこまで戦えるのか……。