どれだけ大量リードしていても手加減なんて一切しない理由…批判の声も承知の上
専大松戸は18日の佐原白楊戦は28対0で白星を挙げ、このコラム掲載の翌日(21日)の市船橋戦に駒を進めました。試合は初回に10点、三回に3点、続く四回に15点を取り、五回の守備を無失点に抑えてコールドでした。
大量リードによる勝利でしたが、高校野球ファンの間でこのような試合展開はたびたび物議を醸してきたことも承知しています。さかのぼると、1998年夏の青森大会、東奥義塾が公立校に122対0で勝利した試合がいい例です。当時は東奥義塾に対し、「手を抜かないのが礼儀」と肯定的な声が上がる一方で、「そこまでやる必要があるのか」「相手が野球を嫌いになってしまう」「かわいそうではないか」などと批判の声も吹き荒れました。
私のスタンスは当時も今も変わりません。どんな相手であろうと、どれだけ点差がついていようと、互いに勝負の土俵に上がったのだから、手加減は一切すべきでないと考えています。
確かに、得点差のつく試合はリードしているチームの攻撃時間が長くなり、ビハインド側は延々と守り続ける展開になってしまいます。そんな試合を快く思わない人たちの気持ちも分からないわけでもありません。しかし、野球は3つのアウトを取ればその回を終えることができる。どれだけ点差が開いても、それは変わりません。翻していえば、いくら失敗を重ねても、各イニングで「最低3つの成功」を重ねることができるのです。