体操レジェンドが断言「金銭的に夢がある競技ではない」…男子個人総合Vも「報奨金ガッポリ」は無理筋か
88年ソウル、92年バルセロナ五輪の体操で計4つのメダルを獲得した体操界のレジェンド池谷幸雄氏が言う。
「企業所属の選手ならば、基本はサラリーマン扱いです。もちろん、業務内容などは一般社員とは異なるケースが多い。僕の知る限りでは、例えば銀行系だと午前中に出社し、多少事務仕事をして、午後から練習という形です。コーチの手配や遠征費、体育館の手配などは所属企業が賄ってくれることが多い。ただ、それもケースバイケース。例えば海外の大会で、先方から『是非出場してください』と招待された場合は、遠征費用などは相手持ちのこともあります。そうでない場合もあり、『自腹なら行っていいよ』ということもある」
■内村航平の知名度をしても「プロの体操選手」は困難
体操協会もある程度は資金を捻出してくれるが、全額は稀という。
「僕がソウル五輪に出場した時は、協会に『7万5000円を払ってくれ』と言われたことがある。え? 五輪に出場するのに? と困惑しましたよ(笑)。メダルを獲得したら、払わずに済むことになりましたけど(笑)。遠征も新幹線のグリーン車や、航空機のビジネスクラスは現役時代は一度も乗ったことがなかった。芸能界入りして初めてグリーン車に乗って、『こんな席があったんだ』と感動したくらいです(笑)」(池谷氏)