大谷がドジャースにもたらす戦力以上の「化学反応」 《チームのムードやナインの意識まで変えつつある》
勝利への執着心で雰囲気を変える力がある
昨年のWBC決勝(対米国)の試合前のミーティングでは、「野球をやっていたら誰しも名前を聞いたことがあるような選手がいると思う。憧れてしまっては超えられないので。僕らはきょう超えるため、トップになるために来たのです。きょうだけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」と発言。試合では塁上で「カモン!」と咆哮してベンチを鼓舞し、チームを世界一に導いた。
日本ハムに所属していた2016年、ソフトバンクとのCSファイナルステージ第5戦には「3番・DH」で出場し、九回にDHを解除してリリーフ登板。自身の持つ当時のNPB最速記録を更新する165キロを投げて自身初セーブを挙げ、チームの日本シリーズ出場を決めた。
札幌ドームの電光掲示板に「165キロ」と表示された瞬間、ソフトバンクベンチはア然ボー然の体だった。
大谷にはチームの雰囲気を変える力がある。さすがにスター揃いのドジャースのミーティングで、移籍1年目の大谷がWBCのように声を上げるとは思えない。それでも選手へのアドバイスはもちろん、勝利にこだわる姿勢はドジャースのチーム力をより強固なものにしつつある。
「すばらしい試合だったと思います。(二回の同点3ランは)初戦の入りは硬くなると思う。3点を取られて。いい形で早めに追いつくことができたので、いい流れをもってこられたんじゃないかなと思います」
試合後の大谷はこう言ったが、単に打って走るだけではないことを証明した。
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そんな大谷がかつて日刊ゲンダイに語った「投打の理想」とはいったいどのようなものか。 避けられないと悟った「永遠の課題」とは。その時々でなにを考え、なにを思っていたのか。改めて読み返すことで、大谷の今が見えてくる。
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